沖縄県を中心に原生する小果の柑橘です。果皮は緑色で、未熟の間は酸が強く、黄色に熟したものは適度の甘味と酸味があります。酸を意味する「シー」、食べさせるを意味する「クヮ-サー」が名前の由来です。古くは王朝時代から健康長寿の果実として知られてきました。
代謝を活性化させ、疲労回復や美容に効果のある“ビタミンC”を多く含んでいるほか、β-カロテン、ビタミンB1、カリウム、カルシウムなどミネラルなども含有するヘルシーな果物です。
「ノビレチン」は、柑橘系の植物に多く含まれる成分ですが、飛び抜けて含有量が多いのがシークワーサーです。
長寿の県として注目される沖縄では、古くから健康長寿の果実としてシークワーサーが食されてきました。
近年スーパー食材としてシークワーサーに注目が集まり、その成分であるノビレチンの研究が進んでいます。
カボス | グレープフルーツ | 温州みかん | ネープルオレンジ | バレンシアオレンジ | シークワーサー |
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0.5㎎ | 1㎎ | 1.5㎎ | 2㎎ | 5㎎ | 30.3㎎ |
カボス | 0.5㎎ |
---|---|
グレープフルーツ | 1㎎ |
温州みかん | 1.5㎎ |
ネープルオレンジ | 2㎎ |
バレンシアオレンジ | 5㎎ |
シークワーサー | 30.3㎎ |
特にシークワーサーに多く含まれる「ノビレチン」というフラボノイド成分は様々な研究がなされており、がんの抑制作用、慢性リウマチの予防、血圧や血糖値の上昇抑制、花粉症を含むⅠ型アレルギー反応の緩和、近年ではアルツハイマーなどの予防や改善、でも話題になり、各メディアでも取り上げられています。
学会およびネット等の発表より引用
2型糖尿病・肥満モデルマウス(KK-Ayマウス)の発症した5週齢雄を用いて、2%ノビレチン含有素材を混餌した飼料を連続8週間摂取させ、経時的に体重、正常時血糖値を測定した結果、2%ノビレチン含有素材を混餌した飼料を摂取した群は、対照群に比し体重の減少が認められました。また、正常時血糖値は摂取後1週間以降、劇的に血糖値上昇を抑制し、低下傾向が確認されました。
ブドウ糖と結合したヘモグロビン(血色素)がどのくらいの割合で存在しているかを表すHbA1c(グリコヘモグロビン)を8週間後(HbA1cは血糖と違い、食事の影響を受けず、1~2ヶ月の血糖値を反映するため、8週間の期間を設定)に確認しました。その結果、8週間経過後のマウスのHbA1c値は、明らかにノビレチンを摂取していないマウスと比べ、2%ノビレチン含有素材を混餌した飼料を摂取したマウスのHbA1c値が低く、血糖値抑制に働くことが認められました。
アレルギーは、体の免疫機能のバランスが崩れ、体が特定の物質に過剰に反応してしまっている状態をいいます。アルレギー反応を引き起こす時にヒスタミンなどの化学物質が放出さますが、ノビレチンは、この化学物質の放出を抑制する働きがあるとされています。
複数機関による研究の結果から、柑橘類に含まれているノビレチンは、神経細胞を活性化させ、認知症を予防したり改善させたりする効果があると言われています。
研究によると、ノビレチンを投与した記憶障害のマウス(認知症のモデル)の記憶機能が改善し、アルツハイマー病の原因と言われているAβ蛋白質の蓄積を抑える効果があり、健全なマウスの記憶力のレベルまでに回復することがわかりました。
項目 | 規格値 |
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性状 | 緑褐色の粉末(目視) |
ノビレチン | 5.5%~6.5% |
乾燥減量 | 8.0%以下 |
原産国 | 日本(沖縄県) |
加工国 | 日本 |